溺れ書 −堀内大助 (手品師など) のおぼえがき

最新情報!! ライブその他の出演情報の告知です!
---
Salon Magic Night
11月23日[月祝] 19:00-OPEN 19:30-START
出演は、入江田翔太Oga、戸崎拓也、堀内大助、KOMEI AOKI(ジャグリング)、Shuhei trio(ジャズ)、そしてスペシャルゲストマジシャンにゆみ
詳細はこちら(告知の記事にリンクします)
---
DAISUKE HORIUCHI MAGIC LIVE "Magic Mirror" Etudes op.18
11月30日(月) 19:30〜 (開場:19:00)
詳細はこちら(告知の記事にリンクします)
---
インターネットテレビ『世田谷WEBテレビ』 堀内大助の『MC Night』
毎月第4週の木曜日 19:30〜20:00 に生放送!!
過去放送、絶賛公開中!
ゲストは、ミュージシャンの小谷周平さん!
詳細はこちら(番組にリンクします)
---

奇術に飽きてませんか?

ハーゲンダッツのCMは目に毒ですよね。限りなくおいしそうです。
でも一番好きなのはレディーボーデン(バニラ)。


最近はあまり見ないですが、マスクマジシャンとか、あとマリックさんもそうですが、「種明かし」番組って一時期流行りましたね。まあ奇術に長く関わっている方からすると、そういうのが溢れる時期というのがあるそうで、しばらくするとまた誰かやりだすかもしれません。

ところでその「種明かし」パフォーマンスの「理由」(というか「口実」か?)は、「種明かしによって、マジックを発展させる」というものでした。
つまり、これまでの方法論を公にさらすことで、新たな方法論を生み出すを得ない状況を作り出す。また、ある現象を引き起こすトリックのひとつを知ることで、そのトリックを使わないで引き起こされた現象をより不思議に感じることができる。

奇術の技術や方法論も発展していくし、そのうえ観客はより「深い」楽しみ方ができると。

詭弁と言えば詭弁でしょうが、それでも幾らかの理はありで、だからこそある意味で正当性を帯びてそのようなパフォーマンスが行われたわけであるし、実際に「種明かしパフォーマンス」をしない方でも上記のような主張をおっしゃる方もいらっしゃいます。

と、ここで種明かし論につながりそうなのですが、ちょっとそれは労力的に骨が折れそうなので、とりあえず奇術の話題は置いといて、別の話。。。あ、の前にやっぱり一言。

どうであれ、上記のような「理由」があってそれに基づいて「種明かし」があるのではなくて、まず「種明かしありき」でその「口実」としてそのような論が出てきたことには、そんなに間違いはないでしょう。
では、なぜ「種明かしありき」かというと、それは売れる、話題になるからでしょうし、ということは「観客が求めている」訳でそれはそれでエンターテイメントとして問題はない、、、のかと思いきや、その「観客」はもちろんタネを知らないから「知りたい」わけで、ということは「知った後」どうなるか知らないで言っていると、、、思われるわけで、であるならば「売れるから、求められているから」が果たして誠実な理由足りえるのかというと、ちと眉唾なんじゃないの?、、、とは思っています。僕は。


でまあ、話を戻すと言うか、次に進めるというか、じゃ何の話かというと。


初見で、その鑑賞物に対して、ほとんど素の状態で、「なんとなく」で感じ取れるものって、結構大したことない場合が多いのではないでしょうか。
その鑑賞物の本当の魅力、それがもたらす深い感動みたいなものは、それに対する知識、技術、その構造を知らないと、「学ばない」と「解らない」「感じ取れない」ことが結構あると。
特に一般に「芸術」と呼ばれる分野では。

クラシック音楽にしても、絵画にしても彫刻にしても、または歌舞伎や落語などの所謂「伝統芸能」など、なんの予備知識もなく見て勿論いくらか受ける印象はあるだろうけど、やっぱりその構造、歴史、文法であり技術を知識として知らないと基本的には「解らない」ものです。だからこそ、音楽、図工の授業というものがあり、創作家だけでなく「研究家」や「批評家」といった方たちがいる訳です。

ただそれは今日の「エンターテイメント」の観点から考えると相容れない部分があるのかもしれない。
「つまらないと思ったら、それは無知な観客のせい」と規定するのは「送り手側」からすると傲慢な考えかもしれないし(でも、時にはそういう視点も必要なのかも)、「どんな観客でも、一発で感動させてやる」という心意気がないといけない、という部分もあります。

ただやっぱり「なんとなく」で受け取っているものと、「能動的に」知って、学んだことで得た感動というものには、やっぱり大きな違いがあると思います。


で、種明かしの話に戻ると。つまりこれと似たような論理で。
「なんとなく」で感じている不思議なんてそうでもないと。ある程度タネやトリックを知るからこそ、それを「超える」(っていう言い方もおかしいかな?)別のトリックがより不思議に思うし、タネを知っているからこそ、その「裏」で行われている技術の「凄さ」が解って、より深く楽しめるんだと。


。。。さて、どうなんすかね。上記の意見は当ってるんですかね。

ただ少なくも。
奇術の場合、「初見」の衝撃や感動っていうのも、やっぱり強くあるんですよ。というか、それが「全て」っていう部分があるんですよね。それを「潰す」ようなマネは「つまらない」と思う。

でも、「トリックを知って感動した」とか「ある方法論を知っているから、逆を突かれてより不思議に見える」とかという部分は、確かにあります。

というか。
タネやトリックを知っている「奇術愛好家」が、奇術を愛好している、というのがこれまでの「種明かし肯定論」の大きなレゾンデートルだったわけです。


しかし、しかーし。で、あるならば。
タネやトリックを知っている奇術愛好家の「結構たくさん」の人が、奇術に飽きる、飽きてしまう、という現実(は事実である)というのを見逃してはならないと思うのです。
他のジャンルと比べてどうなのかは解りませんが、一端その魅力にとりつかれても、早々と「飽きてしまう」人がとっても多いです、多いと思います。それはどのジャンルでも当たり前かもしれませんが、奇術は特に多いように思われるし、どっぷりその魅力を知ったんだろうなという人もある日突然飽きたり、もっといえば「プロ」、それもこれからプロを目指そうという若手マジシャンでも、(奇術自体に)飽きている人はたくさんいます。

それは何故かっと言えば、やはり狭いジャンルなので情報量が少ないですから、「見切り」をつけちゃうんですよね、「ああ、こんなもんだろうな」と。
かくいう僕自身も飽きかけた時期はありました。今は飽きてませんし、これからも飽きない自信はあります。

そう、「飽きなくなる」ためにはどうしたら良いのか、この視点が欠けていると思うのです。
結局、この狭いジャンルにおいて、「まだまだ魅力は延々と続くモンなんだ」と思えるだけの「物量」が、少なくもこの日本においては圧倒的に少ない、、と思うんですよね。

書籍などの情報からすると、邦訳されている奇術の専門書なんて、本当に(本当に!)ごく僅かですし(それでもハーマンの本や、ロベルト・ジョビーなど少しずつ増えてきてはいますが)、カードマジックが好きなはずなのに、エレムズレイとかロイ・ウォルトンなど「山のような」傑作を知らない若手奇術愛好家もたくさん(たくさんどころじゃない)いますし、まあ文字情報はなんとか手に入れられるとしても。
実際のパフォーマンスと対峙できる機会(もちろん優れたパフォーマンスと)は少ないですよ。

こないだ箱根クロースアップ祭に行きましたが、デビッド・ベンくらい洗練された完成度の高い技術をお持ちの人がいて、しかもそれをマンツーマンで教えてもらえるような環境は日本には殆どないでしょうし、ゲイタン・ブルームのような、これまでの(奇術の)常識を超える「天才」を生でライブで見ること(マジックにまだ「浅い人」が)はなかなか出来ないですよ。
だって、こないだの箱根で僕が多分一番若い人だったわけですから。

まあ世界中どこの国に行っても、もしかしたら似たような環境なのかもしれませんが、じゃあだからこそ、日本に限らず優れたマジシャン(世界中のマジシャン)は、自国に留まらず世界中に勉強しにいっているのはそういうことだと思います。


なんか話が逸れていったみたいですが、まとめると。
結局ね、「能動的」に知識、技術や文法といった「構造」を知ることで、得られる大きな深い感動というものは勿論あります。しかし、そう「能動的」に「知る、学ぶ」ための環境というのはまだまだ確立されていない、と思うのです。そういった中で安易に情報を与えたところで、「ああ、こんなもんなのか」と見切りをつけられて飽きられるのが大半だと思うのですよ。もちろん、それで奇術の魅力にはまる人がいないわけではないと思うのですが。

「種明かしパフォーマンス」なんてつまらないことやっているよりは、ゲイタン・ブルームみたいな、「誰が見たって最高に不思議で、衝撃を受けざるをえない」パフォーマンスをやりつづけるのが一番だと思うんですよね。「奇術の発展」のためには。食いついてこざるを得ない不思議を見せりゃいいんですよ。


といっても、「奇術の発展」というのは、上記(何処の上記だよ。。)の通り、後付の「口実」ですから、こんなに長いこと文字を書き連ねるこたぁないんですが、、、
ま、情熱だと思って、お許し下さい。


最後になりますが。少なくも僕は「飽きてません」。奇術大好きです。
ではそれはなぜかと言えば、数多くのマジシャン、研究家、愛好家のみなさんに出会えたというお陰です。
であるならば。
僕も、「飽きさせない」不思議を魅せていきたい、という思いで一杯であります。


そんな日々でごんす(手塚治虫)。
  1. 2008/04/17(木) 09:27:41|
  2. 奇術 きじゅつ

ほんの一言半句

Twitter Updates

follow me on Twitter

プロフィール

堀内大助

Author:堀内大助
1984年生。手品師。好きな食べ物は餅。

最近の記事

カテゴリー

メールフォーム

ライブについてなど御問合、ブログへの御意見御感想はこちらまで。

名前:
メールアドレス:
件名:
本文:

アクセスカウンター

カレンダー(月別)

10 ≪│2009/11│≫ 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

リンク

ブログ内検索

RSSフィード

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ